ミッシャ・マイスキーさん(チェロ)と、娘のリリー・マイスキーさん(ピアノ)、息子のサーシャ・マイスキーさん(バイオリン)をゲストに迎えての知事招宴。
今日の国際音楽祭20周年記念プログラム「マイスキー・スペシャル」は、家族で構成された<マイスキー・トリオ>の国内初演。息の合った熱演に、満席の聴衆から大きな拍手が送られました。3人が別々の楽器を弾いているというよりは、何やら一体化して音を出しているかのような印象。
今晩は、感謝の思いを伝えるための食事会。他のゲストとして、同じチェロ奏者の上村昇さん、古川展生さんをお迎えし、音楽祭の運営側としては、総監督の青木賢児さん、音楽監督の徳永二男さん、メディキット県民文化センターの佐藤寿美さんが参加。
ミッシャ・マイスキーさんは、初来日が1986年。以降、今回が44回目の来日で、コンサートも350回ほど実施しているとのこと。実力、人気ともに超一流のチェロ奏者です。
宮崎国際音楽祭には2年前に初参加。今年の音楽祭の公式プログラムでは、そのときの思い出として、「宮崎牛は私がこれまで味わった牛肉の中でも最高の味でした。」とコメントいただいています。今日も、県産焼酎とともに感激して召し上がっていただきました。
また、肉が苦手というサーシャさんも、お父さんに言われて宮崎牛にチャレンジ。これは美味しいと、喜んで食べていただきました。うれしいこと。
料理長も気合を入れておもてなし。伊勢えびの背中に音符の飾り付け。ミッシャさん、全ての料理を写真に収めておられました。今回参加できなかった奥様にお見せするとか。
お二人のお子さんも、お父さんに連れられて何度か来日されているので、3人とも日本食が大好きとのことで、お箸も上手に使っておられました。そのことを褒めたら、ミッシャさんからお箸に関係するジョークを教えていただきました。
<ある指揮者(名前をうかがいましたが、ここでは匿名)が、とてもお箸の使い方が上手なため、楽団員が評して言うには、彼は1本の棒(指揮棒)は下手だけど2本の棒(お箸)を使うのは上手だと。> これはキツイ(笑)。
2月に6人目のお子さんが生まれたばかり。うれしそうに写真を見せていただきました。2年前に来県されたときも、5人目の赤ちゃんを連れてきておられたのですが(笑)。御年67歳。
日本の人口減少の話をして、もっとお子さんをいかがですかとお薦めしたら、長姉と長兄にあたるお二人は、どちらかというと愉快そうではない顔つきに見えたのは、私の気のせいか。
お子さんには、チェロを習うよう勧めなかったのですかと聞いてみたところ、特に勧めなかった、むしろ、子どもたちとトリオをやりたいと思ったので、ピアノやバイオリンを勉強するよう指導したとのこと。お子さんもすんなりその方向に進まれたようです。理想通りの展開になっています。
今日のコンサート、私の隣に、第1回目から欠かさず音楽祭に通っているという92歳の女性が座られました。休憩時間に話をしたら、ミッシャさんの大ファンで、2年前のコンサートにも来てサインをいただいたとのこと。そのとき、もう自分は高齢なので、これが最後のコンサートだと思っていると話をしたら、ミッシャさんが、お元気なのだから100歳まで来てくださいよと話をして握手をしていただいたとのこと。これに感激したその女性は、その後もコンサートに足を運んでいて、今日、再びミッシャさんの生演奏を聴くことができて感動したと話をしておられました。
コンサートの後、私はミッシャさんにお会いする予定ですよと話をしたら、ぜひ自分も握手をして元気をもらいたいのだが、日本語の手紙をミッシャさんに渡してもらうよう劇場の担当者に託したので、私からも自分のことをミッシャさんに伝えてほしいと言われました。今晩、そのことを皆さんの前で紹介したら、ミッシャさんも大いに感激され、次回はぜひ握手をと言っておられました。
92歳のその女性は、お一人!で都城市から電車に乗って来られたそうです。電車の時間があるのでと、アンコールの途中で退席されました。オペラグラス持参で、途中、食い入るようにステージを見ておられました。
この音楽祭、いろいろな方が、様々な思いを込めて聞きに来られている、大切にしていただいているということを実感したエピソードでした。しっかり受け止めて、より良い音楽祭にしていきたいと思います。
過去の音楽祭の写真や、これまでの音楽祭を振り返った演奏家や聴衆の「音楽祭の思い出・エピソード」が、劇場イベントホールに展示してあります。写真は、音楽祭の公式カメラマン・三浦興一さんが、第1回音楽祭(1996年)から撮り続けたステージやリハーサルの風景、また出演者のオフショットなど。
今日、ざっと見て回って、大いに心打たれるものがありました。『メモリアル写真展~音楽の森』は、音楽祭が終了する17日まで開催。興味のある方はぜひ!
マイスキー一家は、明日、次の仕事の関係で県外に移動された後、再び、15日の20周年記念ガラ・コンサートに出演されるため来県されます。マイスキー・トリオの国内初演地という栄に浴した本県としては、再度の来県とコンサートを心待ちにしています。