22~24日と香港への出張でした。今回の用務は、先月宮崎に就航した香港航空への挨拶をはじめ、本県の農産物、食料品等を取り扱う会社や旅行会社へのトップセールス、在香港日本国総領事館やJNTO香港事務所の訪問など。
22日夕方、宮崎からの直行便に搭乗、3時間のフライトで現地に到着。翌23日に駆け足で訪問先を回って用務をこなし、今朝は9時前にホテルを出発し、沖縄経由で宮崎へ。現地での公務は実質1日という強行軍でした。
乗客は約160人でほぼ満席。ほとんどが香港からのお客様。チェックインカウンターの状況を見ると、フルーツ等のお土産をたくさん買い込んでいただいていたようです。
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香港の輸入商社「味珍味」にて、デニス・ウー社長に「みやざき大使」を委嘱。県産品の輸出拡大へのお力添えをお願いしました。
お父さんのフランキー・ウー会長にも久しぶりにお会いし、日本の農産物の輸出について意見交換。国全体として、輸出戦略の強化や体制づくりが必要ではないかと厳しいご指摘。日本にはあれだけ高い生産技術がありながら、ビジネスに結びついていないと。宮崎が、率先してそのモデルを作るべきだとアドバイスをいただきました。
味珍味では、宮崎のPRのためのラッピング・トラックを走らせていただいています。「宮崎」という地名がどれだけ浸透しているか、今の段階ではまだまだだと思いますが、かんしょについては、相当な認知度とのこと。小さなかんしょをおやつ代わりに食べる習慣があることから、日本では商品とならないような小ぶりのかんしょが大人気に。本県の輸出農産物の主力品目となっています。そして、その8割を味珍味で取り扱っていただいているのです。
それにしても、JA串間市大束の木村久男園芸部会長、こんな大きな写真が香港の街中を走り回ることになるなんて(笑)。
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香港航空本社を訪問。先月28日、香港からの初便に乗って来県され、記念式典等に参加いただいた孫副総裁にお礼のご挨拶。孫副総裁は、前夜、香港空港に到着した我々一行をお出迎えいただきました。
22日の便も搭乗率が90%超でしたし、就航後の平均が8割弱とのこと。おかげさまで順調です。
香港当局のライセンス手続きの遅れで、現在、定期チャーター便としての運航。早期の定期便への移行を要望したところ、当局の作業状況について、一定の手応えがあるとのこと。
昨日、3月の訪日外国人が初めて月150万人を超えたとの発表がありました。本県としても、もっとその流れを受けとめることができるよう、香港をはじめとする国際定期路線の充実や、観光PR、受入体制の整備等に努めていきたいと思います。
孫副総裁へのお土産は、本県が24年連続日本一を達成したばかりのスギ材をPRするため飫肥杉花器。ちょっと写真では見にくいですけど。
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EGLツアーズの袁文英社長ほか担当の皆さんとの昼食会。
EGLツアーズは、日本への送客数が年間10万人以上、訪日旅行取扱が香港第1位の旅行会社です。袁社長には、2年前の8月、私が初めて香港を訪問したとき、みやざき大使を委嘱させていただきました。それ以降、多くの観光客の送客のみならず、今回の香港航空の就航にあたっても多大なるお力添えをいただきました。心より感謝申し上げます。
私が初めて袁社長にお会いしたのは、平成20年9月、「みやざき観光コンベンション協会会員の集い」で講演いただいたとき。香港の旅行会社の社長さんということで名刺交換したことは覚えているものの、まさか、その後、香港と交流を深める上でこれほどお世話になるとは、ましてや、直行便が飛ぶことになるとは、その当時は思ってもみませんでした。
バイタリティと情熱あふれるビジネスマンであるのみならず、気配り、心配りという点においても、教わることの多い袁社長。そのご縁に感謝しつつ、太陽のたまごと綾町の有機野菜詰め合わせを贈呈させていただきました。
ちなみに、お会いして話をするときは、「袁さん」とお呼びすることになっています。うっかり「袁社長」と言いでもしたら、罰金だそうで(笑)。このブログはご勘弁を。
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在香港日本国総領事館に野田仁総領事を表敬訪問。2年前の開所式にも出席いただきました。また、総領事館のシェフが宮崎県出身の方ということもあり、毎年12月の天皇誕生祝賀レセプションで宮崎牛やかんしょ等を提供いただいているとのこと。さらに、最近着任された井川原賢首席領事はえびの市のご出身。
今回の訪問では、直行便の就航についてご報告し、いろいろなご配慮やご縁に感謝申し上げ、また、今後ともご支援いただくようお願い申し上げました。
(総領事館では、入館時にスマホを預けるなどセキュリティが徹底されています。よって写真も無し。)
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日本政府観光局(JNTO)の香港事務所を訪問し、山田洋所長と清水泰正上席次長にご挨拶。日頃、香港市場の動向に関する情報提供や誘客促進に向けたアドバイス等をいただいていることに感謝申し上げました。
山田所長から、具体的なデータに基づいて説明を受け、大いに感銘を受けました。以下で引用するデータは、写真も含め、当日、日本政府観光局(JNTO)からいただいた資料によるものです。
人口約725万人(2013)の香港では、年間の香港人出国者数が約922万人(2014)。国民1人あたり年1回以上、海外旅行をするという計算になります。そのうち、訪日旅行者数は約93万人(2014)。実に海外旅行者の1割が日本を訪れていることになります。
しかも、以下のグラフ、赤い折れ線で示されているとおり、今年に入って訪日香港人が急増。年間100万人を超えることは確実と見られています。2010年は50万人程度だったことを考えると、この数年で2倍に! その内訳を見ると、約8割が訪日2回以上のリピーター。旅行形態としても、個人旅行が75%で、旅行パッケージではない個別手配が45%を占めています。
これが都道府県別の延べ宿泊者数。各県で随分違いがあるものです。本県のところ、残念ながらとても短いグラフを、苦労して赤い線で枠囲みしていただいています(笑)。九州全体として、国内でのシェアを増やす傾向にありますので、本県としても各県と連携しつつもっと頑張りたいところです。
事務所の外には、国内各地の観光パンフレットが陳列してありました。本県のパンフレットもこのように並べていただいていますし、シーガイアの繁体字でのリーフレットもありました。
私が行ったとき、何やら探している様子でパンフレット等を手に取っておられる地元の方が。ここでも、もっと目立つような工夫や、情報発信の仕方を考えていきたいと思います。
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新華日本食品のメイ・チョイ社長との意見交換。香港を拠点とした財閥企業、新華集団の傘下企業で、日本産海産物等の輸入販売やレストラン事業を展開しておられます。昨年11月に来県された際にも、ご挨拶させていただきました。
メイ・チョイ社長は、香港の中心部で新たなレストランを準備しておられるということで、今後の県産品の取扱等をめぐって意見交換させていただきました。場所は、直営の日本料理レストラン「西村」。現在、宮崎フェアを開催いただいています。入口を入ってすぐのところに、香港ー宮崎線の就航を祝う、右の写真のような横断幕が啓示されていました。ありがとうございます!
各テーブルには、このような宮崎県産食材の説明書きが。ありがたいことです。
県産食材について、メイ・チョイ社長と、いろいろと意見を交わしました。高い評価もあり、厳しい意見もあり、率直にご指摘いただき、有意義な意見交換となりました。
日本食ということで日本酒を飲みながらの歓談。驚いたのが、この写真の「アイスディスペンサー(冷酒器)」。下の方のガラスコックを押し上げると、お酒が出てくる仕組み。お酒を薄めることなく保冷することができます。冷酒にぴったりで、これは優れもの。今まで見たことがなかったのですが、実は、コーヒーメーカーなどを作っているHARIOという日本のメーカー製でした(笑)。
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大変お世話になったホテルのプール。結局、3回泳ぎました。
短いプールではありますが、ゆったり水の中に浸かっていると、心身の凝りがほぐれます。
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今日は香港から宮崎への直行便がない日なので、那覇空港経由。この写真は、香港からの飛行機が那覇空港に着陸する直前。ハッとするほど美しい海の色。海運の要といった活気あふれる香港の港とはまた違った趣があります。
香港航空の沖縄支店長によると、香港ー沖縄便は<毎日!>2便。宮崎便より大型の機材で、搭乗率も7~8割とのこと。ピークの時期は那覇空港が人であふれ返り、宿泊先が無いという話も。数次ビザや円安など様々な追い風があるのでしょうが、それにしても驚くばかり。
残念ながら、香港から一緒の飛行機で沖縄入りした香港の方々で、宮崎への便に乗り換える人はいませんでした。レンタカーで島内を回るなど沖縄で過ごされるようです。宮崎への便では、日野直彦会長をはじめ労働委員会関係者や新富町長と一緒になりました。
香港にしろ沖縄にしろ、〈隣の芝生の青さ〉に目を奪われつつ、宮崎のさらなる魅力向上や発信に努めていきたいと思います。