諸塚村の桂神楽。諸塚神社の神楽殿にて、4年ぶりに大神楽(おおかぐら:夜神楽)が奉納されています。
桂神楽は、古くからの慣わしにより、毎年開催されるわけではなく、宮遷宮や事業成就にあわせて不定期に行われているとのこと。今回は、諸塚神社下の立岩公民館が新築落成した事を記念して、大神楽(おおかぐら)が奉納されることとなりました。
青空の下、まずは真新しい立岩公民館の前で、舞入れ、宮神楽、荒神の言い句が行われました。
その後、諸塚村神社の神楽殿に場所を移動。舞手もご祭神も1列になって神社へ。
中山間盛り上げ隊の初鹿野さん、何とご祭神を運んでおられます(写真右の黒いジャンバー姿)。この集落に、もう数年通い、集落の一員のようになっているのでこういう役割が回ってきたとのこと。今回も、前夜から諸塚入り。他の盛り上げ隊のメンバーと共に、地元の方と一緒になって、お客様に食べ物や飲み物を配ったりして、確かに地域に溶けこんでおられました。
お昼ご飯。煮しめやおむすび、酢の物、しし汁、焼酎、かっぽ酒、ビールなどが振る舞われました。このしし汁、猪肉がトロトロに煮込まれ、甘みがよく出ていて、美味しかったです。
桂神楽は、俗に「かつらぼうり」と呼ばれ、西臼杵や諸塚村、椎葉村、熊本県の蘇陽町等、広い地域で伝承されていたもの。平成3年11月に県の無形文化財に指定されています。
古く高千穂夜神楽等から伝えられたものが、そのままの形で残されていて、貴重な神楽とのこと。また、神仏習合の名残も見られるようです。今日は、慶応大学やイスラエルのテル・アビーブ大学等から、多くの研究者が来ておられました。皆さん、ぐるり神楽殿を取り囲むように座り、動画や写真を撮っておられました。
もとは桂村の氏子を中心に伝承されてきた桂神楽も、最近では、過疎化高齢化による「ほしゃこ(舞手)」の減少で、保存の取り組みも難しくなっているとのこと。今日は、他の地域のほしゃこを加えての奉納。県職員も参加していました。
長年にわたり、様々な困難に直面しながらも、この神楽を守り伝えてこられた地域の皆さんのご尽力に、深く敬意を表します。神楽の世界無形文化遺産の登録を目指した活動を進める中で、その保存継承の取組を支援してまいります。
何と言っても盛り上がったのは、91歳の<しずえ>ばあちゃんによる神楽せり歌。先日まで入院されていたということですが、元気な声で、アドリブたっぷりに自分の世界を作られていました。お見事!
ヨイヨイサッサー、ヨイサッサー! 桂神楽より「東征」。舞や神楽せり歌の雰囲気だけでもと思ってご紹介。91歳の<しずえ>ばあちゃん、ここでは映像だけ。
和気あいあいとした雰囲気の中で、集落の神事であるとともに祝祭が続いています。