みやざきアートセンターで開催中の「ムーミン展」へ。
最初のアニメシリーズのスタートが1969年。64年生まれの私は、どんぴしゃ世代。再放送も含め、よく見ていました。と言うか、子供の頃に見ていたアニメの中でも、かなり中心的な存在。懐かしい。
今回のムーミン展は、原作者トーベ・ヤンソンさんの原画が並べられた展示。アニメと対比しながら、どうしてノンノンが原作では「スノークのお嬢さん」で、名前を与えられていないのか頭をひねってしまいました。日本のアニメ制作スタッフの、グッジョブなのでしょうか。新しいシリーズではフローレンになったとか。ドイツ語のお嬢さんという意味だそうですが、私にはしっくりきません。
それぞれのキャラクター、懐かしいものがあります。当時、ムーミンは妖精であって、カバのキャラクターではないと正しく理解していたかどうか、自信がありません(笑)。ムーミントロールなんて正式名も知らなかったですね。岸田今日子さんの声が懐かしい。新しいアニメシリーズの声優は高山みなみさん。会場のモニターで流されていましたが、私には名探偵コナンに聞こえてしまって雰囲気が出ません。ムーミンパパの声、私はチェロの豊かな響きを耳にするたびに思い出しています。
私のお気に入りは、クールなスナフキンや、不思議な生き物ニョロニョロ。会場に展示されていた原画に付けられた解説によると、ニョロニョロは種から生まれてくるそうです。へぇ!
会場には、日本のファンが作成されたという模型が展示されていました。もう覚えてはいませんが、原作に忠実に再現されているのでしょうか。
「おさびし山」、久しぶりに聞く名前ですが、突如、私の頭の中に、スナフキンの歌や、当時私が持っていたLPレコードのなぞなぞ歌のフレーズが浮かんできました。なぞなぞ歌の方は、確か、誰かと誰かが連れ立っておさびし山に行くというのが繰り返され、「さてそこで、おさびし山に行ったのは、何人と何匹ですか?」と終わるもの。こんなフレーズが、頭のなかのどこに隠れていたのか。歌の力、恐るべし!
それにしても、あの<ねえムーミン、こっち向いて>で始まる「ムーミンのテーマ」など、全ての歌が井上ひさしさん作詞だったんですね。へぇと思い、しみじみ。
スナフキンが哲学的な言葉を語ったり、洪水や津波、彗星など自然の猛威が描かれたり、ほのぼのした世界の中に、ハッとするようなメッセージが込められていたようです。原作を本で読んでいたら、また違った体験になっていたのかもしれません。いずれにせよ、そういう物語世界に出会えたことに感謝の思いが湧いてきました。