今日は県庁の仕事納め。4時半から庁内放送で、あらかじめ収録しておいた仕事納めにあたっての 今年も残すところ、あとわずかとなりました。職員の皆さんにおかれましては、1年間、それぞれ
知事あいさつを放送。職員は、それぞれの職場で、TV端末を通して、その内容を聞く段取りに
なっています。
以下は、今日のあいさつ文原案。事務方の用意した素案に、私なりに手を加えて作成したものです。
一字一句この通りに発言したわけではありませんが、ほぼ、このような内容をお伝えしました。
参考までに、それぞれ関連する写真も添付しつつ紹介します。
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平成25年の仕事納め式にあたり、御挨拶を申し上げます。
の職場で、本県の発展のために御尽力いただいたことに、心から感謝を申し上げます。
さて、これまで本県では、口蹄疫や鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火、また、わが国も東日本
大震災など、経験したことのない様々な災害に直面してきましたが、宮崎牛の日本一2連覇や
東九州自動車道の一部区間の前倒し開通など、昨年後半から少しずつ、本県に明るい光が
差し込みはじめました。
こうした一連の動きを「岩戸開き」にたとえてきましたが、いよいよ岩戸が開きつつあるという
実感がしています。先日、天皇陛下に対する地方事情の御説明でも、このたとえを用いて
本県の状況を説明申し上げたところです。
今年はこうした良い流れに弾みをつけ、より強く明るい光が県土と県民に降り注ぐような
「希望の年」としたい、「もっと光を!」という思いで、また、そのような志を持って、1年間、
皆さんとともに県政発展に取り組んでまいりました。
今年は、置県130年という大きな節目の年でありましたが、改めて先人達の偉業を振り返り
つつ、本県の来し方行く末に思いを馳せ、郷土への誇りや愛着を再認識する良い機会となった
と感じています。
それでは、今年の出来事を少し振り返りたいと思います。
口蹄疫については、終息宣言から3年以上が経過しましたが、引き続き、「畜産の新生」に向けた
取組を積極的に進めているところであり、課題となっていた埋却地の再生整備にもようやく着手
するなど、一歩一歩、本当の意味での再生・復興に向かっているものと考えています。「忘れない
そして前へ」「防疫を標準装備に畜産経営」、こうした思いを、これからも持続させ、前を向いて
進んでいきたいと思います。
一方、こうした口蹄疫等の災害への対応から、さらに新たなステージへと進むべく、「復興から新たな
成長へ」を県政運営の基軸に据えることとし、2月に基本方針を定めました。そして、本県の経済・雇用
全体の浮揚を図るため、今後の本県産業の核となる「成長産業の育成」に、事業・予算・組織を整え、
重点的に取り組んできました。
まずは、「フードビジネス」について、国の大型の公募事業を活用しつつ、「オールみやざき」体制に
より、宮崎牛の販路拡大等をはじめ、10のプロジェクトを核として、一層の食の付加価値向上や、
雇用の創出を目指しているところです。市町村や経済界をはじめ、県内各地でその胎動や気運の
高まりを感じることができるようになりました。また、とりわけ、30年来の研究が実り、県産キャビアの
販売が開始されたことは、大きな一歩であると感じています。
また、「新エネルギー」については、メガソーラーや木質バイオマス発電等の着工・稼働が進むとともに、
「東九州メディカルバレー構想」でも透析技術等の海外展開を目指し、JICAやJETROと連携した
海外の透析医療関係者の招へい等を行うことができました。
さらに、「東アジア」との経済交流の促進や観光誘致に向け、その拠点となる香港事務所を開設した
ほか、香港、シンガポール、台湾、韓国におけるトップセールスなどにより、宮崎のPRや現地における
人的ネットワークづくりを行いました。
こうしたあらゆる産業振興の基盤となる「交通・物流ネットワーク」については、本年度末に東九州
自動車道の「日向~都農間」が開通する予定であり、いよいよ悲願の「延岡~宮崎間」開通が
現実のものとなります。
先日、大分県と共同で「東九州広域観光推進協議会」を設立したところですが、この高速道の整備
効果を県全体にいかに波及させ、本県振興の起爆剤とするか、全職員、全県民が真剣になって知恵を
出していかなければならないと考えています。
また、スマートインターチェンジの連結許可や、都城志布志道路で唯一の未事業化区間であった
県境区間の新規事業化のほか、九州中央自動車道の「蘇陽(そよう)~高千穂間」が、「計画段階
評価を進めるための調査」の対象区間に選定される等の進展があり、さらには、先月「宮崎~台北線」
の増便も発表されるなど、新たな明るい動きも出てきているところです。
次に、「安全・安心な地域づくり」においては、南海トラフ巨大地震への対応として、関係市町村との
「県津波対策推進協議会」の設置や、後方支援拠点に関する協定の締結など連携強化を図るとともに、
国に要望していた「特措法」が成立したほか、県独自の被害想定を踏まえた減災計画の策定に至るなど、
総合的な防災力の強化や減災対策の実施に向けた素地が整ったと考えています。
一方、命を守るという点では、地域医療も重要です。今年は、県立延岡病院で屋上にヘリポートを
備えた新救命救急センターが完成するとともに、県立日南病院には、宮崎大学の地域総合医育成
サテライトセンターが開設されるなど、地域医療体制の充実も着実な進展が図られました。
また、なんと言っても今年、県全体を盛り上げ、郷土愛や感動・勇気を与えてくれた出来事と言えば、
高校生のスポーツでの活躍ではなかったかと思います。
1月の全国高校サッカー選手権大会における鵬翔高校の全国制覇、8月の高校野球甲子園大会
における延岡学園高校の準優勝という快挙は、全国に向けて、本県の競技力の高さを示すことが
できたと感じています。
今年の漢字に「輪」が選ばれたように、7年後のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催決定は、
わが国にとってビッグニュースでした。この大会では、今の中高校生の世代が主力選手となっていく
こともあり、「みやざき東京五輪おもてなしプロジェクト」においては、スポーツ人材の育成にも、さらに
力を入れていくこととしております。
また、東京五輪の開催は、「復興から新たな成長」を目指す本県にとって、スポーツの振興
のみならず、世界に向けた本県の情報発信や地域経済の活性化を図る上でも、絶好の機会に
なるものと考えています。
特に本県は、「スポーツランドみやざき」の取組において、昨年度のスポーツキャンプ・合宿の
状況が、受入団体数・参加者ともに過去最高の実績となるなど、ハード・ソフト両面で非常に
高い評価を受けています。
このような本県の強みやオンリーワンの魅力を磨き上げ、国内外に強くアピールしていくことで、
五輪終了後も、本県にとって有形無形の財産として残るような取組を進めていくことが重要だと
考えています。
来年は、こうした新たなチャンスを追い風にしながら、県民の皆様が、豊かさと幸せを実感できる
県を目指して、これからも庁内一丸となって力強く前に進んでいきたいと思っています。
さて、明日からは年末年始の休みに入ります。それぞれの職場で事情は異なるかと思いますが、
暦通りでは9連休となります。
「常在危機」という意識を忘れずに、また、交通事故や健康に十分留意され、御家族の皆様と
健やかに新年を迎えていただきたいと思います。
結びに、来たる年が、本県にとって、また皆さんにとりましても、素晴らしい年となりますことを
心からお祈りし、仕事納めの挨拶といたします。
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以下の資料は、「平成25年県政トピックス」。この1年を振り返り、施策の柱ごとに、主なトピックスを
一覧で整理したもの。今日の庁議で配布されました。こうしてみると、いろいろなことがあったものです。
置県130年という節目の年。振り返ってみて、いろいろな課題、問題はあるものの、総じて言うと、
明るい話題に恵まれた年ではなかったかと考えています。
◯高校生をはじめとしてスポーツ界で快挙が続いた上に、WBC、アクサ、TGC、なでしこなど
大きなイベントが盛況のうちに実施されました。
◯県民の悲願である東九州道など高速道路の整備が大きく前進しました。
◯長年の研究が実った「宮崎キャビア1983」の発売など、様々なフードビジネスが進展しました。
◯農林水産祭むらづくり部門の天皇杯など、最高の賞の受賞や日本一が相次ぎました。 等々
まだまだ、いろいろ挙げられるものの、キリがありませんのでこの辺で。また、TGCやダンロップ、
リコーカップ、航空祭など、ここぞというイベントなどで、好天に恵まれたことも印象に残っています。
復興から新たな成長に向けて歩み始めた本県にとって、大きな弾みとなる1年だったと思います。
来年もその延長で、1つひとつ成果を出していきたいと思います。