高原町町制施行80周年記念式典が開催されました。
連日、御嶽山噴火の被害が報道される中、どうしても3年前の新燃岳噴火のことが思い出されます。
私が知事に就任して5日目のこと。その衝撃は忘れられません。新燃岳のホームドクターと言うべき
火山学者の井村准教授(鹿大)によると、噴火の規模だけを比較すると、新燃岳のマグマ噴火は
御嶽山の水蒸気爆発の100倍の規模だったとのこと。
それだけの危機に際し、日高町長を中心に町民が一致団結して乗り越えてこられました。また、
国や県も連携し、砂防ダムの整備や観測機器の増強もなされてきました。さらには、新燃岳の灰を
お土産として売ったり、灰干し料理を開発したり、灰でレンガが作られたりと、転んでもタダでは起きない
といった積極姿勢で復興に取り組んでこられたことに対し、深く敬意を表します。
なお、新燃岳噴火で本県が経験した農業被害の実態や、土壌改良等の復興対策についての情報は、
今後の参考にしていただくため、長野県、岐阜県に情報提供しています。
80周年を記念して作られたご当地ナンバープレートのデザインは、天の逆鉾と霧島連山、町の鳥
である仏法僧。ご当地ナンバープレートを採用したのは、県内では宮崎市に次いで2団体目とのこと。
今日の式典では、祓川神楽と狭野神楽が披露され、「神武のふるさと」であり、「神話の町」である
高原町の多様な魅力が発信されました。どちらも真剣を使って舞われる神楽。迫力があります。
世界無形文化遺産の登録を目指す本県の神楽の中でも、代表的なもの。これら「高原の神舞」は、
国指定重要無形民俗文化財となっています。
また、本県で初めて金メダルを獲得された蒲池猛夫さん(ロサンゼルス・オリンピックのラピッド・
ファイア・ピストル)は、高原町在住です。6年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、
本県から選手を、そして、メダリストを出そうという目標を掲げて取り組んでいる今、その存在が、
さらに光り輝いています。
高原町のますますの発展を心よりお祈り申し上げます。