久しぶりに家族で映画を見ました。「世界の果ての通学路」。先日、家内が見て感激。もう一度
見たいからと、娘(中1)と私を誘い、3人で行くことになったのです。
この映画は、以下の写真のとおり、世界の4つの地域において、日本では考えられないような距離や
困難、リスクを乗り越えて通学する子どもたちの姿をとらえたドキュメンタリー。それにしても、
世界には驚くばかりの「通学路」があるものです。ゾウの群れに怯えながらサバンナを突っ切ったり、
少女たちが4時間かけてアトラス山脈を越えたり、10代の子どもが平原を馬に乗って通学したり。
わが家の娘は、学校まで徒歩数分。何という違い! 勉強内容や教材なども含め、どれだけ恵まれた
環境にあることか。<正座して、目をかっぽじって、心して見るように!>などと言いたくなります。
もちろん、難しい年頃の娘を相手に、そんなことを言ったりはしません(笑)。
日本とは、かけ離れた厳しい生活の実態。それは、貧しくとも、家族の愛に包まれた生活。
それを生き生きととらえた美しい映像の力に、まずは圧倒されます。
ドキュメンタリーの性格上、映像には映らないものの、どうしてもカメラをはじめとする撮影スタッフの
存在を意識してしまいます。何度も撮り直したりしたのだろうかとか、スタッフから注文がついたり
したのだろうか、わかりやすくするための演出があったのだろうかとか。
その真偽はわかりません。ただ、そんなことよりも、映画の最後に、子どもたちが将来への夢を語る
場面。これにはストレートに心打たれます。厳しい状況に置かれながらも、ひるまず、くじけず、
あきらめず、自暴自棄になったりせず、自分の未来を切り開く「夢」を語るのです。
「通学路」は、学校につながる「道路」であるとともに、この子どもたちの夢に向けて開けた「道のり」
なのです。
たとえゾウであろうと、ゴツゴツした難路であろうと、馬に乗らなければ届かない道程であろうと、
「夢」の妨げにはならない。ひたむきに通学路を進む子どもたちの姿に、そんなことを教えられ、
元気や勇気をいただいたように思います。
映画が終わって街中を歩いていると、猛暑の中、宮崎市内は、「まつりえれこっちゃみやざき」で
熱く盛り上がっていました。浴衣姿など多くの人出で賑わっています。特に、普段はあまり姿を見ない
中高生の姿が目につきます。
この子どもたちが、どれだけ映画の中の子どもたちのように自分の「夢」を語ることができるだろうか
などと思いつつも、まあ、若さあふれるエネルギッシュな姿がまぶしく目に映るわけです。それぞれの
社会には、それぞれの難しさや課題があり、それぞれの良さや魅力があるわけで、先人から託された
この日本の子宝に、ぜひとも希望にあふれた未来や夢を見出して欲しい、そのための活力ある社会
づくりが今を生きる現役世代の責務だなどと、うだるような暑さの中で考えたところです。