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東九州新幹線

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「東九州新幹線鉄道建設促進期成会 特別講演会」が、内閣官房参与の藤井聡教授(京都大学
大学院工学研究科)
をお招きして開催されました。





東九州新幹線鉄道建設促進期成会は、昭和46年8月、福岡、大分、宮崎、鹿児島の4県と
北九州市で結成。東九州新幹線の整備実現を目指し、国への要望活動等を続けてきました。
会長は、宮崎県知事が務めています(汗)。

昭和48年に国の基本計画路線となったものの、その後、国における整備新幹線の建設凍結方針
などで気勢をそがれ、しばらく要望活動を休止していました。その後、整備計画線の見直しに伴い、
平成6年から活動自体は再開したものの、整備計画路線への格上げは実現していません。

3年前に九州新幹線が開通する一方で、東九州新幹線の整備促進に向け、沿線地域の大きな
盛り上がりがあったかと問われると、決してそうではありません。毎年の国への要望活動等は
行われながらも、実質的には<冬眠>状態にあったと言わざるをえません。

こうした中、一昨年の九州地方知事会において、東九州新幹線整備に関する国への要望が、
初めて特別決議として採択されました。全国的にも、国土強靭化の議論と相まって新幹線整備に
向けた新たな動きが出てくるなど、本県としても再び機運を高める環境が整いつつあります。

そのような状況を踏まえ、国の国土強靭化政策をリードしておられる藤井教授をお招きして
講演会を開催し、機運の醸成を図ることとしたものです。


 



藤井教授は、新幹線の整備が極めて大きな経済効果をもたらすことを強調。沿線に大都市が集中
している実態や、新幹線開通後に地域が発展している状況を紹介されました。そして、山陰と山陽、
九州の西と東を対比させ、一定地域への投資が、投資されなかった地域に対し、人口減少など
「災いをもたらしている」とも。

そもそも、田中角栄氏の「日本列島改造論」の頃には、以下のような、全国をカバーする新幹線
ネットワークが構想されたとのこと。全国総合開発計画の位置づけが変わってきたことや、
ドイツやフランスなどと比べ、高速鉄道整備に対して国家戦略が不十分であったことなど、
残念ながら、極めて限定された地域や路線で新幹線整備が進んできたわけです。

人口20万人以上で新幹線の通っていない都市が、わが国には20程度もある一方で、
ドイツやフランスには3都市しかないとのこと。それだけ、ドイツやフランスでは、大都市を
高速鉄道で結ぶことの意義を認識し、国として戦略的に整備が進められてきたのです。





もちろん、東日本大震災の例でもわかるとおり、防災面や復旧・復興における新幹線の役割も
極めて重要です。首都直下地震に対する備えとして、地方に国力を保持・温存する観点からも、
さらに、南海トラフ巨大地震に対する直接の備えという点からも、東九州新幹線の意義は
大きいと言えましょう。

今日の講演会ではお話がありませんでしたが、藤井教授は、漫画「進撃の巨人」の大ファンとのこと。
壁の外に存在する<巨人>を、リアルにうごめく世の中の実態や人間を取り巻く危機(例えば
南海トラフ巨大地震)のメタファーととらえ、その存在を認識しながらも、しなやかに強く生きていく
ことが強靭化の思想だと述べておられます。なるほどと思わせるものがあります。

今日の講演会には、行政や議会、経済団体等の代表者を中心として約200人が参加。
藤井教授の熱いお話にドンっと背中を押され、<冬眠>から目が覚めるような思いがしました。

地元の財政負担や並行在来線への対応など、様々な課題もあるものの、将来への夢として、
具体的なビジョンを掲げ、沿線地域が連携して議論を深めながら、機運の醸成を図っていきたい
と考えています。




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